競争で成長 変化をチャンスに 県内主要企業が入社式


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入社式で辞令交付を受ける沖縄電力の新入社員=1日午前、浦添市の沖縄電力本社

 県内の主要企業や金融機関などは1日、一斉に入社式を開き、新社会人を迎えた。電力自由化やマイナス金利、環太平洋連携協定(TPP)など経営環境が大きく変化する一方、県経済の拡大基調を受けた採用意欲の高まりで前年より採用数を大きく増やした企業も多い。企業トップの訓示では「共にナンバーワンを目指そう」など、競争を成長につなげようという呼び掛けが目立った。

 新入社員25人を迎えた沖縄電力は、電力の小売り全面自由化とともに新年度の幕が開けた。大嶺満社長は「新電力の参入で競争の激化が見込まれる」と影響を見通しながら、「変化をチャンスと捉え、受け身にならず自由化の時代に挑んでいこう」と呼び掛けた。
 県内地銀3行の入行式はマイナス金利導入の波紋に加え、県外金融機関との海を越えた競争の激化という現状認識で一致した。
 琉球銀行(金城棟啓頭取)はほぼ前年並みの58人が入行した。沖縄銀行(玉城義昭頭取)が前年より18人多い72人を大量採用し、沖縄海邦銀行(上地英由頭取)も35人増の59人を採用するなど、中長期の計画に基づき、着実に人員採用を図る姿勢も見られた。
 JAおきなわは新職員109人を採用した。入組式で砂川博紀理事長はTPPや農協法改正の動きに触れ「農業は嵐の中にある。こうした中でも皆さんが社会に役立ち、意義ある仕事を成し遂げたいと全力投球すれば、JAには大きな可能性が広がる」と期待した。
 個人消費の好調さから人手不足感が強まる小売業界は元気さが目立った。スーパー県内最大手のサンエーは前年より43人多い118人が入社。54人が入社したリウボウグループは、百貨店「デパートリウボウ」運営のリウボウインダストリーが3年ぶりの採用を実施した。金秀グループも建設やスーパー事業などで前年より29人多い103人の新入社員を迎えた。