県内初、女性団長に久高さん 沖縄市消防団


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桑江朝千夫沖縄市長(右から2人目)から辞令を受け、意欲を示す市消防団の久高清美団長(同3人目)=1日、沖縄市役所

 【沖縄】沖縄市は1日、市消防団の新たな団長に久高清美分団長(58)を任命した。県消防協会によると、女性の団長就任は県内30消防団で初めて。同日、沖縄市役所で桑江朝千夫市長から辞令を受けた久高さんは「昨日は緊張で眠れなかった」と繊細さを見せながらも、「女性ならではのきめ細やかさを生かし、子どもからお年寄りまで防災意識を高めていきたい」と力強く語った。

 消防団での活動は20年目。既に自立した4人の子どもが学生で、生活に困窮していた時期に地域の人に金銭支援などで助けてもらったことがきっかけとなり、地域への恩返しの気持ちで入団した。
 市婦人連合会の副会長や市民生委員児童委員協議会の委員なども兼任しており、市民への防災方法の普及などを通して地域の安心安全に貢献してきた。
 1日付で女性のみで構成する分団を新たに設置するなど、既に独自性を発揮している。今後は「子どもへの防災教育に力を入れたり、市民が防災法を実践できる場を増やしたりしたい」と意気込む。
 現在団員50人のうち女性は7人だが、3年計画で団員を72人に増やし、そのうち女性を20人にする考えだ。
 桑江市長は辞令式で「これまでの活動も耳にしており、久高さんなら重責をこなしていける」と激励した。
 久高さんは「市民一人一人が考えて防災できるまちづくりをしていく。いざという災害時に、市民の安全に貢献できるよう努めたい」と抱負を語った。