知事、基地めぐる誤解へ反論 自治体立憲ネットワーク研修会


この記事を書いた人 新里 哲
自治体議員立憲ネットワークの研修会で講演する(上)翁長雄志知事と(下)浅井春夫氏=3日、恩納村の沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ

 安全保障関連法廃止などを訴える全国の地方議員でつくる「自治体議員立憲ネットワーク」の研修会が3日、恩納村で開かれた。議員114人を含む125人が参加した。翁長雄志知事が「闘う民意」と題して講演し、米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古の新基地建設について「地方自治、民主主義の問題につながる」と強調。和解直後に是正指示を出した国の姿勢に触れ「地方自治をいかにないがしろにしているかが分かる。日本を変えることができるかの瀬戸際だ。危機感を持ってほしい」と県外の議員らに訴えた。

 ネットワークは安倍政権が進める安保法制の動きに対抗しようと2014年に超党派の地方議員らで発足。研修会では、辺野古移設に疑問を呈する意見書が全国各地の議会で可決されている動きをさらに広げ、安倍政権に対峙(たいじ)し、沖縄の米軍基地固定化を阻止することなどを盛り込んだ声明が採択された。
 講演で翁長氏は「沖縄は基地があるから発展した」など一部で広がる沖縄の米軍基地をめぐる誤解についても反論。基地形成過程や基地関連収入の割合が低下していることを説明し「米軍基地は沖縄経済発展の阻害要因だ。本土の人にそれがなかなか通じない悔しさを理解いただきたい」と語った。
 研修会では戦後沖縄の孤児院に関する研究があり、子どもの貧困に詳しい浅井春夫立教大教授も講演。沖縄戦や米統治下の歴史の延長線上に現在の深刻な子どもの貧困問題があるとして「全国のモデルとして子どもの貧困を訴え、(根絶に向けた)条例もつくるべきだ」と提起した。
 研修会は4日まで。4日は稲嶺進名護市長が講演するほか、議員らが辺野古での抗議行動に参加する。