集団死「軍命」明記を 文科省に要請 9・29大会決議実現させる会


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 【東京】沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)について、歴史教科書に日本軍による強制性を明記するよう活動を続けている「9・29県民大会決議を実現させる会」(世話人・仲西春雅県高校PTA連合会会長)は5日、仲里利信衆院議員の事務所で文部科学省の職員と面談し「集団自決」(強制集団死)が「軍命」であるという記述を復活させるよう求めた。文科省は「教科書は民間の著作物」との見解を示し、出版社への働き掛けは消極的姿勢で、話し合いは平行線に終わった。文科省への要請で同会は、アジア諸国への配慮を求める「近隣諸国条項」と同様に、沖縄戦に詳しい有識者を検定官と検定審議委員を加えた上で「沖縄条項」を検定基準に盛り込むことなどを強く求めた。

 文科省担当者は沖縄条項の追加について「近隣諸国条項はアジア諸国との間で国際理解の見地から設けられた。国内地域の特定の事項と同じレベルではないと思う」との見解を示した。
 一方、2015年度高校教科書検定で「集団自決」(強制集団死)の記述がなかった山川出版社の担当者にも面談し、記述するよう要請した。高嶋伸欣琉大名誉教授によると、山川出版の担当者は「06年度に検定意見が変わったことについて(文科省から)十分な説明がなされておらず、決定できない」との見解を示した。