北部訓練場ヘリパッド移設 防衛相、時期示さず


この記事を書いた人 新里 哲

 【東京】中谷元・防衛相は8日の会見で、政府が米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の移設工事の年内完了を目指しているとの報道に関して、「一日も早く北部訓練場が返還できるように努力していきたい」と述べるにとどめ、完了時期は明示しなかった。

 ヘリパッド移設は、1996年に日米両政府が合意した同訓練場総面積約7800ヘクタールのうち約4千ヘクタールの返還に伴うもの。移設するヘリパッド6カ所のうち2カ所は既に完成したが、残り4カ所の工事は進んでいない。
 ヘリパッド工事現場への入り口は、自然環境への影響や騒音、事故などを懸念し移設に反対する住民が座り込みによる抵抗運動を続けている。
 翁長雄志知事は返還には前向きだが、当初計画と異なり米海兵隊輸送機MV22オスプレイが訓練していることを疑問視している。
 中谷氏は反対する住民が工事現場入り口の「通行を妨げている」として、現場入り口に接する県道を管理する翁長知事に対し「4回ほど適切に管理してほしいと要望した」とけん制した。