普天間19年までに停止を 知事、政府に実現要求 合意から20年


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 米軍普天間飛行場の返還合意から12日で20年を迎えることを受け、翁長雄志知事は同日付で「今なお問題が解決されていないのは誠に遺憾だ」との談話を発表した。

 「県内移設ありきで物事を解決しようとする政府の姿勢が今日に至る問題につながった」と強調した。翁長知事は、政府が約束した2014年2月から5年以内の普天間飛行場の運用停止について「残り3年を切った。政府には普天間飛行場の固定化を絶対に避け、積極的に県外移設に取り組むよう強く要望する」と強調した。
 翁長知事はこれに先立ち行われた報道各社のインタビューで、普天間飛行場は「県民が戦後、収容所に入っている間に強制接収されて造られた」と指摘した。その上で「戦後70年、沖縄は自由や平等、人権、自己決定権、民主主義をないがしろにされてきた。県民の魂の飢餓感を理解できなければ、課題を解決するのは簡単でない」と強調し、あらためて普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画見直しを求めた。
 返還合意から20年を迎えても普天間問題が膠着(こうちゃく)していることを予想したかについては、「稲嶺恵一知事(当時)が出した15年の使用期限や軍民共用、岸本建男名護市長(同)が出した使用協定といった移設容認の条件についての協議が打ち切られた辺りから、今の状況は見えてきた」と指摘。2006年の米軍再編合意を機に、政府が沖縄側の提示した移設容認の条件を一方的にほごにしたにもかかわらず、辺野古移設を進めようとしていることを批判した。