琉大法科大学院が性多様性で那覇市と連携 全国初の協定へ


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 性の多様性を尊重する姿勢を明確に打ち出す琉球大学大学院法務研究科(法科大学院)は、レインボーなは宣言をした那覇市と連携・協力する協定書を14日に締結し、同市の取り組みへ法的なサポートを行う。性の多様性に特化して法科大学院と自治体が協定を結ぶのは全国で初めて。

 同性愛など性的少数者(LGBT)は20人に1人はいるとも言われる。琉大法科大学院研究科の矢野恵美教授は当事者が学びやすい環境を整えると同時に、人権感覚を養い、当事者の問題解決を支援できる力を付けようと昨年から那覇市との協定に向け準備を進めてきた。同市との取り組みでまず始まるのは、市が7月実施を目指すパートナーシップ証明書交付に向けた要綱作成だ。要綱は国際結婚や家庭内暴力(DV)への対応など法的な検討が必要な内容も多く、協定締結後は研究科として組織的に支援する。
 また、後期に始まる新しい科目では、企業の間で検討が進められているLGBT対応の就業規則のモデル作成や、LGBTを対象とした市の法律相談に学生が取り組む。
 同研究科は本年度、性同一性障害などの学生が戸籍とは異なる氏名を通称として使うことができる体制を整え、性の多様性を専門的に学ぶ科目を新設する。
 市総務部平和交流・男女参画課の稲福由乃主幹は「自治体の取り組みの広がりは国も動かす。そのためにも法的な背景をしっかり持っておく必要があり、市民への説得力にもなる」と同研究科に感謝した。
 同研究科では年内にも性の多様性尊重宣言をしようと検討を進めている。