バイオガス燃料に発電 具志川浄化センター、CO2削減


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
浄化センターから発生する消化ガスを使って発電するバイオガス発電機=15日、うるま市洲崎の具志川浄化センター

 下水を処理する際に発生する消化ガス(バイオガス)を燃料に電気をつくるバイオガス発電機「NOSAバイオエナジー発電機」6機が具志川浄化センターにこのほど完成し、1日から稼働している。これまで焼却処分されていた消化ガスを有効利用し、二酸化炭素の削減につなげる。発電期間は20年で、将来的には一般家庭840世帯分の電力量を発電する見通し。電力は全て再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT制度)を通じて、沖縄電力に売電する。

 15日には、事業主体の県と発電機を運営する特別目的会社(SPC)NOSAバイオエナジー(那覇市)など関係者による発電開始式が行われた。発電機の建設や運営は県内企業で構成するNOSAバイオエナジーが担い、県は消化ガスと土地を有償で同社に提供する。県レベルで売電を目的としたバイオガス発電事業を展開するのは全国初。
 発電機1基の出力は60キロワットで、最大発電能力は6基合計で360キロワット。当面は4基を常時稼働させ、年間で一般家庭570世帯の電気使用量に相当する207万2千キロワット時を発電する。NOSAバイオエナジーは西原環境おきなわ、沖縄工設、しんこうエンジニアリング、安謝橋電機の4社で構成している。
 県は宜野湾浄化センターでも同様の事業を展開する予定で、10月には発電機が稼働する。宜野湾浄化センターは、一般家庭の約1760世帯に相当する電力をつくる。発電期間は20年。