不当扱い、多くの学生経験 琉大法文学部がブラックバイト対策へ


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 琉球大学法文学部社会学専攻の野入直美准教授が、講義を受講する学生61人に行ったアルバイトに関する調査で、バイト経験のある46人のうち8割が「望まないシフトを強いられた」「残業代が支払われなかった」などの不当な扱いを経験していたことが分かった。学生の深刻な実態を受け、同大法文学部は4月から違法な労働搾取などに注意を呼び掛けるなど対策を始める。県内の11大学・高等教育機関で、独自の「ブラックバイト」対策に乗り出すのは同大が初めて。

 学業に支障を来すほど過酷な労働を強いられる「ブラックバイト」は全国的に問題になっている。今回の調査で、県内でも深刻な実態があることが明らかになった。
 不当な扱いを受けた学生のうち、希望しない深夜勤務を求められたことで講義の欠席が続いて成績不振に陥り、除籍直前になった学生や、昼と夜の勤務を強いられたことによって居眠り運転を繰り返し、恒常的に交通事故の危険にさらされている学生もいた。ある飲食店に勤めた学生は、時給を知らされないまま、2カ月後には売り上げ報告や在庫管理などを担う立場に置かれた。沖縄労働局労働基準部監督課は「賃金を知らせないのは明らかな違反だ」としている。(新垣梨沙)