帝国書院記述に抗議 実現させる会など「沖縄差別」指摘


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帝国書院の教科書の記述に関して抗議を表明した仲里利信衆院議員(右から2人目)と、「9・29県民大会決議を実現させる会」のメンバーら=18日午後、県庁記者クラブ

 2017年度からの高校教科書の検定結果を巡り、訂正申請された帝国書院の高校教科書「新現代社会」コラムに沖縄と米軍基地の関係の記述になお誤った認識があるとして、仲里利信衆院議員(無所属)と「9・29県民大会決議を実現させる会」は18日午後、県庁記者クラブで記者会見し、記述に抗議の意思を表明した。会見では、訂正後も「米軍基地の集中により、沖縄が通常予算以外に3千億円の『振興資金』を得ているとの印象を与える」(仲里氏)と指摘。21、22日に帝国書院、文部科学省に記述の再訂正を求める考えだ。

 帝国書院の訂正申請は「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」「基地の存在とひきかえに、ばくだいな振興資金を沖縄県に支出し」などとした記述を削除し、米軍施設が沖縄に集中していることなどを理由に「毎年約3000億円の振興資金を沖縄県に支出し」などと記述している。
 会見で仲里氏は「国自体が勉強不足と考えられ、沖縄差別としか思えない。基地があるから沖縄は豊かに暮らしているという間違った解釈が全国に広がりかねない」と指摘した。
 実現させる会の玉寄哲永相談役は「ずさんなコラムを文科省が認める背景は何か。今年から18歳選挙権が始まるが、全国の若い世代に沖縄が誤解されるような内容だ」と批判した。