戦の記憶 風化を懸念 伊江島で平和祈願祭


社会
この記事を書いた人 新里 哲
塔に向かって花を手向ける参列者=21日、伊江村の芳魂之塔

 【伊江】沖縄戦で激しい空爆と地上戦があった伊江村の戦没者を悼む平和祈願祭が21日、同村の芳魂之塔であった。約250人の遺族や関係者が参列した。黙とうをささげたり花を手向けたりして、戦没者の安らかな眠りを祈った。

 伊江村の戦闘が終結した毎年4月21日に祈願祭を行っている。塔の地下には引き取り手のいない遺骨などを納骨している。
 島袋秀幸村長は「焦土と化した村は復興へといち早く立ち上がった。犠牲になられたみ霊のお導きとご加護のたまものだ。平和の尊さとありがたさを享受している毎日だ」と述べた。
 村遺族会の新城孝雄会長は「悲惨な戦争の記憶が風化しつつある中、犠牲になられた方々に思いをはせると心の痛みは癒えることがない」とあいさつした。
 芳魂之塔の隣にある刻銘板には、村内戦没者や村出身戦没者4288人の名前が刻まれている。