新聞活用の効果、指導方法は? NIEカフェ毎月開催へ


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アクティブラーニングについて話し合ったNIEカフェ=23日、那覇市真嘉比のケーキカフェ・ピエニュー

◆自発的学習を推進 カフェ会場に実践例を報告
 NIEに取り組む教員を中心としたNIE研究部会による「NIEカフェ」が23日、那覇市のケーキハウス・ピエニューで行われた。研究部会はこれまで会議室などで開かれていたが、今回から多くの教員が参加しやすいよう緩やかな「カフェ」として開催した。NIEアドバイザーら9人が参加し、アクティブラーニング(主体的・協働的に学ぶ学習)を中心に話し合った。
 比屋根小の佐久間洋教諭(NIEアドバイザー)は熊本地震後も鹿児島県の川内原発が稼働を続けることに対して、自発的に疑問を持つ児童がいたことなど、考える力を育むNIEの効果を報告。興南高校の石川美穂教諭(同)も現代文から進路指導につなげるNIE実践例を話した。美東中の松田美奈子教諭(同)は6教科で実践可能な手法を提示した。
 アクティブラーニングの定義を解説した県立総合教育センターの甲斐崇研究主事(同)は「私たちがやってきたことがアクティブラーニングだった。自信を持っていい」と強調。参加した全国高校NIE研究会全国大会から、ヤフーニュースの仕組みや30代、40代の新聞読者が減少していることなども報告した。
 研究会は本年度から毎月第3土曜日午後2時から4時までを基本に開催する予定。次回は6月18日(会場未定)。問い合わせは琉球新報NIE推進室(県NIE推進協議会事務局)(電話)098(851)5190。

新聞を活用した授業を行う佐久間洋教諭(左)と視察に訪れた緑風学園の教員ら=26日、沖縄市の比屋根小学校

◆「継続は力」実感 緑風学園教員ら比屋根小を視察
 2016年度からNIE実践指定校になった名護市の緑風学園の教員ら約20人が26日、沖縄市の比屋根小学校を訪れ、NIEアドバイザーの佐久間洋教諭の新聞を活用した授業を視察した。NIE教育の現場を見学させ、教師の指導力向上を図るのが目的。佐久間教諭が読み聞かせなど新聞を気軽に活用する方法を紹介した。
 公開授業が行われた比屋根小6年1組では、本紙4月24日付のダウン症の弟がいる高校生の記事を児童に読み聞かせ、差別や偏見をなくす方法について活発に意見を交わした。児童からは「イベントで障がいについて伝える」「本などで調べて理解を深める」などの意見が出た。
 授業を見学していた教員らは、佐久間教諭の授業の手順などをメモしながら、話し合っている児童の発言に聞き入っていた。視察に参加した新垣麗華教諭(35)は「文章能力だけでなく、普段の生活につながる指導が新聞を活用してできることが分かった」と話した。
 授業をした佐久間教諭は「スクラップノートなど、日常的な活動を継続させることがより効果を発揮する。気楽に楽しみながら取り組んでほしい」と語った。