翁長知事「制限域解除を」 辺野古の浮具撤去開始


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
辺野古沿岸部の海上に設置されているフロートの撤去作業開始について、記者団の取材に応じる翁長雄志知事=30日午後、沖縄県庁

 政府が名護市辺野古沿岸部で浮具(フロート)や油防止膜(オイルフェンス)の撤去作業を始めたことについて、翁長雄志知事は30日、「辺野古代執行訴訟の和解条項に基づく協議に関する作業部会で県が要望した事項の一つであり、一定の評価をしている」と述べた。県庁で記者団に答えた。翁長知事は「ボーリング(掘削)作業調査などに伴い設置されているブイ(浮標灯)やアンカーブロックの撤去、工事用仮設道路の付近に敷設されたパネルなどの撤去、および臨時制限区域などの解除を引き続き政府に求めていく」と強調した。

 一方で米軍北部訓練場内でのヘリパッド移設計画に関連し、抗議の市民らが作業現場入り口に止めている車両を撤去するよう、政府が道路管理者の県に協力を求めている。
 国側が浮具などの撤去を始めたことで、近く車両の所有者に対する文書指導などを行うかについて記者団に問われ、翁長知事は「リンクする話ではない。それ(北部訓練場)はそれ、これ(辺野古)はこれだ」と述べた。
 県は辺野古代執行訴訟の和解で辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの効力が復活したことから、沖縄防衛局が設置した浮具や浮標灯、これらを海底で固定している大型のコンクリートブロックを置き続ける「法的根拠が失われた」として、全ての撤去を求めている。工事に向けて現場周辺海域に設定された臨時制限区域も解除を求めている。