キングス、プレーオフ連勝 西地区準決勝へ TKbjリーグ


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
第2クオーター、シュートを決めるキングスの山内盛久=1日、沖縄市体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位)は1日、沖縄市体育館で金沢武士団(同7位)とプレーオフ(PO)ファーストラウンド第2戦を行い、88-73で勝利した。キングスは2連勝で7、8の両日に同体育館で開催されるPOの地区準決勝進出を決めた。
 試合の開始直後に大きくリードしたキングスだったが、金沢も力を発揮して前半は接戦となった。キングスは第4クオーターまで攻撃の手を緩めず、終盤に金沢を引き離した。
 地区準決勝の相手は大阪エヴェッサ(同6位)に決まった。7日は午後3時、8日は午後1時に試合開始予定。

 【西カンファレンス】
▽1回戦第2戦(琉球2勝)
琉球ゴールデンキングス(リーグ2位)
88―73(25―13,24―30,21―21,18―9)
金沢武士団(リーグ7位)
(琉球は西カンファレンス準決勝進出)

 【評】最後まで足を動かし続けたキングスが粘る金沢を引き離した。第1Qは攻守でリズムに乗るキングスが主導権を握った。第2Qは本領を発揮した金沢が追い上げた。第3Qは一進一退の攻防となったが、第4Qに金沢がペースダウンしたのをキングスが見逃さず、勝負を決めた。
(平安太一)

◆突破良かった
 伊佐勉監督(キングス)の話 金沢のディフェンスとオフェンスの遂行力はすさまじかった。とてもタフなシリーズで突破できて良かった。
 スタートダッシュはできたが、イージーシュートをミスして自分たちで難しい試合にした。第2ラウンドでは、それをやってはいけない。

◆相手が強かった
 鈴木裕紀HC(金沢)の話 自分たちの持っている力を発揮した。うちが弱かったのではなくキングスが強かった。集中力もパフォーマンスも、キングスが最高のものを出していた。新たに始まるBリーグでも結果を残して、一つでも上に行きたい。

キングス―金沢 第3クオーター、相手守備を振り切ってシュートを決めるアンソニー・マクヘンリー=1日、沖縄市体育館(諸見里真利撮影)

◆采配ズバリ 引き離す
 伊佐勉監督は勝負を仕掛けるタイミングを決めていた。激しい点の取り合いになった第3Qに無理をして引き離すのではなく、「第4Qに集中して一気に行こうと思った」。前日の第1戦はキングスが最後まで足を動かし続け、この日も序盤からコートを駆け回った。金沢の体力は消耗していると読み、最後の10分間で畳み掛けることを狙った。
 第3Qの終了時点でキングスのリードは6点。第4Qは金沢が先に得点したが、直後にキングスの猛攻が始まった。バーンズの3点弾を皮切りに、喜多川修平も外からリングを射抜いて続いた。金沢のシュートが落ち始めると、リバウンドを拾って攻撃につなげた。第4Q開始から約5分で金沢を3点に抑える一方で、キングスは12得点と圧倒した。伊佐監督は「計算通りだった」と納得の表情を見せた。
 ゲーム中盤には攻撃が点に結び付かず、金沢の猛追を受ける時間もあった。アンソニー・マクヘンリーは「簡単なシュートを落として金沢にオープンショットを決められた」と反省する。ただ、「慌てずにゲームをしっかり理解した」と崩れることはなかった。
 次戦は地区の準決勝。昨季のPO、悔しい思いを味わった舞台に再び立つ。マクヘンリーは「しっかり準備してチームがベストになるように集中する」と、勝利を目指す強い気持ちをのぞかせた。(平安太一)

第3クオーター、積極的にシュートを放つ喜多川修平

◆喜多川18得点、要所で決める
 鮮やかな放物線が何度もリングを突き抜けた。接戦のまま迎えた第4Q。喜多川修平は常にリングに狙いを定め、好機を逃さずシュートを放った。「キングスのバスケをやり切るだけだった」と苦しいゲームでも気負いはなかった。第4Qのみで9得点、合計ではチーム最多の18得点を挙げて勝利に貢献した。
 試合の入りから集中していた。「第1Qは激しくプレッシャーに行った」と言い、金沢を引き離すことに成功。リードを縮められた場面では「悪い流れのときもみんなで(相手を)抑えようと思った」とベテランらしく落ち着いていた。
 次戦の地区準決勝でも「第1Qからチーム一丸となって戦う」と拳を握った。

生まれ故郷のコートでプレーする金沢の与那嶺翼(左)

◆与那嶺、古巣相手に躍動
 生まれ故郷のコートに立つ金沢の与那嶺翼は輝いていた。第1戦は2点シュートを全て沈め、16得点5アシストと古巣のキングスを苦しめた。第2戦ではチームが苦しむ場面でコートに送り出され、冷静なプレーで仲間をまとめた。激戦を終えて、「悔いのないゲームができた」とうなずいた。
 32歳とベテランの域に達し、「沖縄で試合をするのは最後かもしれない」と思いながらボールを追い掛けた。かつて主将を務めたキングスとbjリーグ最後のPOで戦って「運命だと感じた」と目を細める。
 新規参入の金沢で戦ったシーズンは、「0からスタートしていいチャレンジができた」。来季以降のことは未定だが、「この経験は必ず役に立つ」と実感を込めた。