ちむぐくるに触れ涙 母の日、各地で沖縄芝居


社会
この記事を書いた人 志良堂 仁
「奥山の牡丹」で愛し合いながらも身分の違いに苦しむチラー(右・小嶺和佳子さん)と三良(佐辺良和さん)=8日午後2時50分、那覇市民会館

 「母の日」の8日、沖縄芝居の各劇団が恒例の「母の日公演」を行った。あんまー(母)、はんしー(祖母)を連れて多くの人々が会場を訪れ、芝居に込められたちむぐくるや、島の原風景に触れた。

 伊良波冴子さん率いる劇団伊良波は冴子さんの父である名優伊良波尹吉の生誕130年を記念し、尹吉の名作「奥山の牡丹」を那覇市民会館で上演した。自分を犠牲にして子を守ろうとする主人公の姿に、客席からすすり泣きが漏れた。
 観劇した屋比久政子さん(79)は「何十年ぶりに見たけど最高だった」と興奮した様子。娘の座安由美子さん(45)は「いつも母から見るよう勧められていた。初めて見たが、とても良かった」とほほ笑んだ。
 そのほか、劇団うない、劇団花園、劇団群星、劇団与座が各地で個性を生かした演目を上演した。