【ロサンゼルス】芸能で県人会活気 若者の習得、原動力に


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将来の沖縄文化の取り組みについて語るトミオ・プレホダさん(左)とミシェル・多美子・アカミネさん=4月17日 ロサンゼルス市内のガーデナ仏教会

 ロサンゼルスを中心に南カリフォルニアで県人会活動を続けている北米沖縄県人会は、とてもユニークな存在として他県人会の見本的な運営で注目を集めている。

 その理由の一つが、郷土芸能を学び普及に努めている老若男女が数多くいる点が挙げられる。その中から2人の取り組みを紹介する。
 トミオ・プレホダさん(18)は4世で、ハワイ原住民をルーツに持つが、祖父母は沖縄と広島系である。ロサンゼルス近郊で生まれ、小さいころから日系の仏教会に出入りしてきた。
 当時は沖縄をあえて意識することはなく、よく聞く「アサトヤユンタ」は心地良く耳に響いたが、沖縄民謡だとは知らなかった。ある時そこで知り合った同世代の女子高校生がよく沖縄の良さを話していたのをきっかけに、沖縄のことについて二人で話し合うようになり、5年前ふとしたことから沖縄県人会の存在を知った。
 プレホダさんの祖父母は琴と尺八を仏教会で学んだ。曾祖父は毎年沖縄県人会のピクニックに出席していたことも分かり、より一層沖縄の文化や芸能について興味を持つようになった。
 2015年には安富祖流で三線の新人賞、琉球筝曲興陽会で琴の新人賞を獲得するまでに至る。
 ミシェル・多美子・アカミネさん(17)は現在高校3年で、父は沖縄浦添系、母は広島系の4世である。幼稚園時代から日本文化に興味を持ち始め、中学時代には大阪府貝塚市に交換留学生として留学し、琴に興味を持つきっかけとなった。
 12年に沖縄県人会を通して琉球筝曲興陽会で本格的に琴に専念、15年には新人賞を受賞し、その後さらに三線やうちなーぐち・クラスに通い、沖縄文化の習得に拍車がかかった。
 ハワイ大に入学が決まり沖縄文化についての探求を「さらに続けていきたい」と話す。琴の優秀賞、三線の新人賞が当面の目標である。
 トミオさんとミシェルさんは大の仲良しで、今後も沖縄文化、沖縄の芸能について取り組んで行く。(当銘貞夫通信員)