生徒感激、全国で“魅せる” 琉球絣20反 南風原高芸能部に


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贈呈された琉球絣の反物を掲げる南風原高校郷土芸能部の部員らと琉球絣事業協同組合や町の関係者ら=6日、南風原町の琉球絣事業協同組合

 【南風原】南風原町の琉球絣(かすり)事業協同組合(野原八重子理事長)は6日、後継者育成事業の研修生らが制作した琉球絣の反物20反を南風原高校郷土芸能部に寄贈した。昨年、同組合が設立40周年を迎えた記念として、生徒らに“本物”の琉球絣を着てほしいと理事会で決定した。生徒らは贈呈された反物を仕立てた着物で、7月に広島県で開催される全国高文祭の舞台に立つ。

 琉球絣は地域の伝統工芸品だが高級品でもあることから、同校郷土芸能部では普段はプリント地の衣装を使用しており、本物の琉球絣を用いた衣装を着て舞台に立つ機会はほとんどなかった。
 同部の入福浜天乃副部長(3年)は「贈呈してもらえると聞いて、まさかこんな縁が巡ってくるとは思わず、信じられない思いだ。一つ一つに込められた思いを受け止めて、演技に励みたい」と語った。
 南風原町喜屋武出身の野原ちあきさん(3年)は「南風原の絣を着て踊れるのは幸せだ。生まれ育った地域への誇りと感謝の思いを持って頑張る」と話した。
 野原理事長は「理事会でも全国大会でぜひ子どもたちに本物を身に着けてほしいということで、全会一致で贈呈を決めた。南風原のいいものを全国の場でアピールし、また技も磨いてほしい」とエールを送った。南風原高校の大宮廣子校長は「本物には本物の奥深い味わい、気品がある。子どもたちの心にも良い影響が出ると思う。このような機会に感謝したい」とお礼を述べた。