エアコン補助の廃止変えず 防衛相、更新補助の引き上げ強調


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 【東京】中谷元・防衛相は10日の参院外交防衛委員会で、米軍基地周辺の学校の防音事業の空調維持費補助が2016年度以降の実施設計分から一部廃止される問題について「空調設置はもう常識で、設置率は騒音の発生いかんにかかわらず向上している。厳しい財政状況に鑑みて行った」と述べ、見直さない考えを示した。一方で空調設備の機能復旧(更新)工事の補助率の最大1割引き上げに言及し「トータルで考えてほしい」と強調した。糸数慶子参院議員(無所属)の質問に答えた。

 同問題で防衛相の答弁は初めて。中谷氏は、騒音区分の4等級のうち3、4級は「比較的騒音の影響が小さい」ことを理由に維持費補助を廃止すると説明。同時に、防音工事自体への補助が継続されることを強調した。更新工事の際は「補助率を最大1割引き上げた。空調機設置の軽減とトータル、セット」とした。
 ただ維持費補助は予算が削られることになるため、補助率引き上げが維持費補助と同額程度の財政負担軽減効果があるか不明だ。
 糸数氏は、維持費補助が削られる一方で米軍への思いやり予算、防衛予算は増えているとして「沖縄の子どもたちへの対応は思いやりがないと言わざるを得ない」と厳しく批判した。
 一方、沖縄防衛局は維持費補助が打ち切られる県内108教育施設の内訳を公表した。保育所が31で最も多く、小学校30、幼稚園17、中学校13、高校11、特別支援学校6。管理者別では法人などによる運営が37施設と最多で、県立が16、那覇市立が14、うるま市立が9、浦添市立が6、金武町立、西原町立、伊江村立、恩納村立が4、沖縄市立、中城村立が3、宜野座村立が2、宜野湾市立、北中城村立が1となっている。