市町村 困惑と不安 エアコン補助廃止


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 「財政負担が大きくなるのではないか」「学習環境へ影響が懸念される」―。防音事業の空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降の設計分から一部廃止されることに、対象の学校・施設を抱える市町村教育委員会からは困惑と不安の声が上がっている。当面の建て替えなど計画がなく「当面の影響はない」とする教委がある一方、補助継続を求める声も。夏場の気温が高い沖縄では、米軍機騒音から教育環境を守るための空調設備が欠かせず、廃止撤回に向けて防衛省へ要請を検討している教委もある。

 西原町は、本年度に実施設計し2018年から稼働を予定している幼稚園の空調設備が影響を受ける見通しだ。町教委の担当者は「すぐ影響が出るというわけではないが、設備の入れ替えで徐々に影響は出てくる」と懸念を示す。「国の補助がなくなったから空調をすぐ止めるというわけにもいかない。町の負担になるのではないか」と話した。
 那覇市は「児童・生徒の学習環境への影響が懸念され、今後、県教育庁や関係市町村と連携して対応したい。県教育庁が(市町村の実態を)調査しているようなので、それを受けて効果的に対応できればと考えている」と述べた。同市では1小学校がこれから設計となるが「1校だけの問題ではなく制度そのものの問題だ。県教育庁や関係市町村と足並みをそろえて取り組みたい」と話した。
 恩納村は「保育・教育環境を確保しなければならず、補助金がなくなることは財政負担が大きくなる」と不安を隠さない。宜野座村は建て替えなどが13年でほとんど完了しているとし「すぐに影響はないが、10~15年後は影響があるだろう。補助廃止は容認できない。今のうちに要請をしていきたい」と、将来的な影響を見据え補助継続要請も検討している。