USJ沖縄進出撤回 沖縄県民は…


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 雇用や観光振興への期待が高まっていたUSJの沖縄進出計画が撤回され、県民からは落胆の声が漏れた。これまでになかった大型テーマパークを心待ちにしてた人々が「残念」と肩を落とす一方、降って湧いた“政治主導”の大型計画を懐疑的に見ていた県民も多く「最初から無理だと思っていた」という冷めた反応もあった。

 候補地に挙がっていたのは名護市や本部町の北部だった。名護市陸上競技場で娘の練習を見守っていた主婦の女性(30)は、計画撤回の一報を受け「『USJができたら毎週遊びに行けるね』と子どもたちと話をしていた。本当にできるのかなという気持ちもあったけど、できてほしいと願っていたのでやっぱり残念だ」と声を落とした。
 那覇市のパレットくもじ前では、落胆と冷ややかな受け止めが交錯した。
 会社員の男性は「子どもと遊びに行こうと思っていた。とても期待していたのでがっかりした」と落胆。「家族で遊べる場所が増え、観光客の集客など経済振興にも役立つと思っていたのに」と話した。
 「雇用面も含めて、経済的に良い効果があると思っていたが、残念だ」と話すのは調理師の男性(39)。計画が出た当初は期待したが、具体的な話が進展しないまま撤回となり「どんどん現実味がなくなっていった。『やっぱりな』と思う面もある」とため息をついた。
 会社員の女性は「政治的な意図が感じられたこともあり、実現に期待していなかった」と険しい表情。別の会社員の男性(60)は「政治とは関係なく、観光資源としてあった方が良かったので残念だ。ただ、人工施設に頼らず、人的な魅力を磨くことでリピーターを増やすことはできる。USJより、沖縄の魅力を県民全体で意識していくべきだ」と話した。