ヨットに覚醒剤600キロ 県内最大、末端420億円


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台湾からケタミンを持ち込んだヨットを捜索する海上保安官ら=17日午前10時20分ごろ、那覇市の那覇港那覇ふ頭

 第11管区海上保安本部と沖縄地区税関が、那覇市通堂町の那覇港那覇ふ頭に停泊中のマレーシア船籍のヨットから、覚醒剤約600キロを押収していたことが18日までに分かった。末端価格約420億円に相当する。捜査関係者によると一度に600キロの覚醒剤が摘発されるのは県内で過去最大とみられる。11管などは県内外で覚醒剤を販売しようとしていた可能性もあるとみて捜査している。

 ヨットの台湾人乗組員6人は11日、麻薬ケタミンを共同所持していたとして麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕されていた。11管は覚醒剤の鑑定などを終え次第、覚せい剤取締法違反(営利目的所持)の疑いで再逮捕する方針。

 捜査関係者によると、台湾人船長は覚せい剤取締法違反の容疑について「知らない」と否認している。
 乗組員は11日午後、台湾から石垣島経由で那覇ふ頭に入港したところ、沖縄地区税関の検査で麻薬のケタミンを隠し持っていたとして逮捕されていた。6人のうち3人は容疑を認めているが、他の3人は否認しているという。

 17日午前、11管と税関で行われた合同家宅捜索で船内に隠されていた覚醒剤約600キロが発見された。
 ヨットがマレーシア船籍でランカウイ島のものであることから、東南アジアで生産された覚醒剤を台湾経由で運び、日本国内に密輸しようとした可能性がある。

 捜査関係者は押収量が大量であることから「県内ではさばき切れない。県外で転売しようとしていた可能性がある」とし、背後に暴力団や海外マフィアなどがいないかなどを県警とも連携しながら捜査を進める方針だ。