東京でも憤りの声 海保、警視庁前で新基地反対集会


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「沖縄を返せ」を歌いながら肩を組み、新基地建設反対を訴える参加者ら=21日、東京都の警視庁・警察庁前

 【東京】米軍普天間飛行場の辺野古移設計画の断念を求め、市民団体が呼び掛けた「レジスタンス大行動」が21日、霞ヶ関の警視庁・警察庁前と国土交通省・海上保安庁前で開かれた。集会は当初、名護市辺野古の新基地建設現場での警視庁機動隊や海上保安庁の過剰警備に抗議する趣旨だったが、米軍属女性死体遺棄事件を受けて憤りの声が多く上がった。登壇者が事件について「基地を許すわけにはいかない」「全基地撤去が必要だ」と声を上げると、事件を思い目頭を押さえる参加者の姿もあった。

 行動は2カ所同時進行で実施された。警視庁・警察庁前では、三線の音色にのせた「沖縄を返せ」の合唱から始まった。多くの警察官らが警備に当たる中、参加者らは肩を組んで歌ったり、プラカードを掲げたりと、思い思いの表現で新基地建設反対を訴えていた。
 登壇した園良太さんは「事件があり、辺野古のゲート前では米兵を外に出させないよう座り込んで非暴力、不服従の闘いを続けている。沖縄に基地を押しつけている政府がある首都圏で暴力を許さない行動をして連帯していこう」と語気を強めて語りかけた。
 集会に参加していた渡辺学さん(33)=荒川区、介護職=は「東京に住んでいる者として、米軍基地も基地に反対する運動も沖縄だけに押し付けるわけにはいかない」と語り、本土の人が当事者意識を持つことが必要だと訴えた。
 海上保安庁、国交省前で参加していた小林倫子(ともこ)さん(26)=小金井市、会社員=は沖縄の基地問題に関心を持っており、今回の事件を受けて「これ以上我慢できない」との思いで集会を見守っていた。小林さんは「沖縄の基地の問題は日本社会全体の問題だ。こうして東京で声を上げることによって、可視化し、多くの人が問題に気付いてくれることにつながると思う。一緒に声を上げる人が増えてほしい」と語った。