宮古島陸自配備 地下水に影響の可能性 識者、3月に「反対」結論


この記事を書いた人 新里 哲

 【宮古島】宮古島市への自衛隊配備計画を巡り、市地下水保全条例に基づく市と沖縄防衛局の事前協議に関わった学識経験者らが、地下水源地に悪影響を与える可能性があるとして配備に反対していたことが22日、分かった。協議の委員を務めた琉球大の新城竜一教授(地質学)が同日、市内で開かれたシンポジウムで明らかにした。これらの意見は、3月に取りまとめられ、事前協議を行う市地下水審議会に提出されていたが、明らかになっていなかった。

 防衛局は4月末に市条例の保護地域を外す形で計画を修正したが、新城教授は22日、候補地一帯は活断層が密集しているとして大規模地震や津波のリスクを警告。「保護地域外なら何をやってもいいとの精神で動いているなら危険だ」と指摘し、再審議の必要性を訴えた。
 事前協議を行う「市地下水審議会」は今年1月、新城教授ら専門家で構成する「学術部会」に審議を付託。部会は3月3日までに4回審議し「施設の建設・運用は認められない」と結論を出した。
 理由として(1)油分・薬物などの漏出が全くないとは判断しがたく、水質を恒久的に汚染する恐れがある(2)水質・水量に対する多段階のリスク管理が必要で、予防原則的に不適切(3)有事の際に攻撃された場合、地下水の水質汚染、地下水帯水層の破壊などが発生する-などとした。