沖縄県産食料の輸出好調 牛、豚、砂糖は最高額


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄からの食料品輸出が増加している。沖縄地区税関によると、2015年に輸出額トップの牛肉は金額ベースで前年比11・8%増の約8700万円で過去最高を更新した。豚肉の輸出額も過去最高だったほか、ポークランチョンミートなどの豚肉調製品や黒糖を含む砂糖、ウコン、紅芋を中心とするサツマイモ類は数量・金額ともに過去最高。那覇空港を拠点とした国際貨物ハブにより、新鮮なものをニーズに応じて素早く届けられるようになった。アジア地域で安心・安全な日本産食材への需要が高まっていることも背景にある。

 牛肉の輸出数量は前年比3%減の1万8424キロだった。一部の業者で牛の一頭買いに代わり、サーロインなど単価の高い高級部位を買い求める動きが広がり、押し上げた。県のプロモーション活動などで本部牛や石垣牛など県産ブランド牛の知名度が上がり、継続した需要があるという。

 豚肉は、豚流行性下痢(PED)が発生した影響を受け、数量は14・1%減の3万8757キロだったが、金額は前年並みの約4900万円だった。県のプロモーション活動などが奏功して県産豚肉の知名度が上がり、あぐーなどのブランド豚肉だけでなく、一般豚も含めた引き合いが強かった。

 砂糖は37・3%増の70トン、金額は38・2%増の約3700万円となった。ミネラルが多く含まれるなど品質の良さが評価され、外食産業で取り扱いが増えた。

 ウコンはこれまでのアジア向けに加え、新市場として米国向け輸出が好調に推移し、2・6倍の2509キロ、金額は3・9倍の約1900万円と大幅に増えた。健康管理のため日ごろから愛用する人が多いという。

 サツマイモ類は52・8%増の2万105キロ、金額ベースで39・5%増の約900万円となった。ペーストを含む紅芋の輸出が好調で、飲食店に紫色を生かした調理法を提案するなどして需要が伸びた。供給が足りず、県外産のサツマイモを産地表示した上で出荷することもあった。