女だけの舞踊歌劇 28日、60周年で初の単独公演


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 【名護】名護市城区で受け継がれてきた女性のみで出演する舞踊歌劇「名護山樫木(なぐやまかしぎ)」の上演60周年記念公演「うまんちゅするてぃ」が28日午後6時半、城区民会館ホールで開かれる。戦後復興期から同区で継承されてきた演目を節目の舞台で披露するため、出演者らは精力的に稽古に励んでいる。

舞踊歌劇「名護山樫木」の稽古に励む出演者ら=20日、名護市の城区民会館ホール

 「名護山樫木」は、城出身で政治家・郷土史家の比嘉宇太郎氏(1903~77)が55年に脚本をまとめた。区は毎年旧暦9月9日の奉納祭の一環として披露してきたが、今回は初めて単独公演として上演する。

 物語は、首里城改築の木材にするために山奉行が選んだ御用木を巡る人間模様を描く。盗賊人が御用木を切ろうとした瞬間に突然、木の精が出現するなどの見どころがある。

 木を運び出すサバクイ役の渡具知彩絵(みずえ)さん(38)は、長女の美千代さん(18)、次女の彩寧(あやね)さん(16)を含め親子3人が同じ舞台に出演する。彩絵さんは「この歌劇を(多くの人に)知ってほしい。(次の世代へ)つなげていきたい」と意欲を見せた。

 自らも「名護山樫木」に何度も出演してきた同区女性部長の比嘉克子さん(65)は「見どころの盗賊人が出る場面は昔はもっとコミカルに表現していた」と話し、作品の味わい深さを後輩へ伝えたい考えだ。

 同公演実行委員長を務める宮里旭・城区長(55)は「先輩方に指導してもらいながら後輩へ引き継いでいかないといけない。60周年は良い機会だ」と述べ、多数の来場を呼び掛けている。

 琉球舞踊の「親泊流丈芳乃会」「親泊流良扇の会」「美和の会」も賛助出演する。入場料は千円。

 問い合わせは城区公民館(電話)0980(52)3982。(古堅一樹)