「本当の追悼は、二度と事件を起こさない決意」 緊急県民集会


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隣同士で手をつなぎ、登壇者のあいさつをじっと聞く集会参加者=25日午後2時56分ごろ、北谷町の米空軍嘉手納基地第1ゲート前(又吉康秀撮影)

 「行動しないと何も変わらない」―。元米海兵隊員で米軍属の容疑者(32)の勤務先である嘉手納基地第1ゲート前で開かれた米軍属女性死体遺棄事件への抗議緊急集会には、平日の昼間にもかかわらず約4千人(主催者発表)が集結した。被害に遭った女性に自身や子や孫などを重ね合わせた幅広い年代の女性たちの姿が多く見られた。参加者は「平和な生活を返せ」と怒りや悔しさをぶつけ、米軍人・軍属による事件事故を二度と繰り返させないと誓った。冒頭の1分間の黙とうでは、感情を抑え切れず涙を流す市民もいた。

 集会が始まる午後2時の1時間前から続々と市民らが集まった。ゲート側の歩道だけでは収まり切れず、反対側の歩道にも多くの市民が抗議の意を示した。オール沖縄会議の高里鈴代共同代表が隣の人と手を取り合うよう参加者に呼び掛け、「私たちはつなぎ合った手をとってここから歩み出そう。本当の追悼は、二度と事件を起こさないという私たちの決意の思いだ」と訴え、集会を閉じた。

 少し離れた場所から演壇を見詰めていた男性(58)は「悔しいという言葉では表現できない」と事件について口にし、唇をかみ締めた。日米地位協定改定を求める沖縄の声を一顧だにしない日米両政府の対応を「沖縄の人間を拒否するようなもの。たまったもんじゃない」と声を荒らげた。

 職場の同僚と参加した女性(28)=豊見城市=は「これだけの人が同じ思いで集まっている中で、政府の対応は変わりそうにない。沖縄県民は平等に扱われていない。県民の人権を大事にしてほしい」と訴えた。

 4千人規模の集会となったが、交通のトラブルはなかった。基地内に車で入る米軍関係者は無表情でそばを通り過ぎていった。