「軍隊の本質変わらず」 写真家の嬉野京子さん


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1965年に撮影した写真の前で「軍隊の本質は変わらない」と強調する嬉野京子さん=25日、北谷町砂辺の嘉手納基地第1ゲート前

 緊急集会には報道写真家の嬉野(うれしの)京子さん(75)=東京=も参加した。嬉野さんは1965年、米統治下の沖縄で米軍車両が少女をひき殺した現場を撮影して県外で公開。沖縄の現実を表す写真として大きな反響を呼んだ。嬉野さんは「今回の事件で、人を殺す訓練をしている軍隊の本質は当時と何も変わっていないことがはっきりした。米軍は米国に引き揚げるべきだ」と話した。

 集会会場に、嬉野さんが撮影した事故現場の写真を印刷した横断幕が掲げられた。辺野古で座り込む市民らが、嬉野さんから写真の提供を受けて作った。

 「復帰後は自由に沖縄を訪れ、状況を共有できるようになった。しかしあまりにも問題が複雑で、なかなか県外に理解されない」。嬉野さんは険しい表情を浮かべる。その上で「軍隊は戦争で人を殺すための訓練をしている。だからこそ、沖縄戦を知る高齢者は体を張って基地に反対している。軍隊のすぐそばで生活しなければならない沖縄の大変さを、ヤマトの人は感じ取るべきだ」と強調した。