白タク行為?利便性向上? レンタカー運転手の仲介サイト


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 観光ドライバーとレンタカー利用者を仲介するウェブサイト「Justavi(ジャスタビ)」(東京、三戸格社長)がこのほど開設され、全国に先駆けて沖縄でサービスの提供を始めた。第二種運転免許の有無にかかわらず誰でも運転手として登録ができ、沖縄でレンタカーを借りる観光客がサイト登録者の中から選んだ人と観光ドライバーとして契約する。これに対し県ハイヤー・タクシー協会(湖城秀實会長)からは「事実上の白タク行為だ」と反発が上がり、新たな観光ビジネスをめぐり波紋を広げている。

 「ジャスタビ」は旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が出資し、レンタカー運転手のマッチングサービスという全国初の新規事業を手掛ける。三戸社長は琉球新報社の取材に「ドライバーは現在約100人が登録している。今後安全性や利便性を高め、より多くの旅行者の方に利用してもらえるように努めていく」と述べ、今後全国各地へ展開していくという。

 「ジャスタビ」はレンタカー利用者にドライバーの情報を提供し、利用者の条件に合ったドライバー選びができる個人間の仲介サイトをうたう。利用者とドライバーはそれぞれ同サイトに登録する必要があり、レンタカーは利用者側が準備する。報酬はドライバー側が設定してサイトに掲載し、利用者が直接金額の交渉と委託契約を結ぶ。

 これに対して県ハイヤー・タクシー協会は、営業用旅客自動車を運転するために必要な第二種運転免許を持たないドライバーが、レンタカーを活用して対価を得ることなどを問題視しており、道路運送法に違反している可能性を指摘する。協会理事が25日に那覇市の沖縄総合事務局を訪ね、陸上交通課に対してレンタカーを活用した事業の見直しや指導強化、違法性の有無の調査を求めた。

 湖城会長は「二種免許を持たないドライバーの営業行為は、レンタカーを使用した事実上の『白タク行為』だ。ジャスタビは運転委託契約に関して『一切責任を負わない』としており、利用者の安全安心が確保されるか心配だ」と指摘した。

 ジャスタビ社はサイト上で「レンタカーを借り受けた利用者自身の自由な行為として従来から一般的に認められている」と説明。三戸社長は「国土交通省から(同サービスは)違法ではないと回答を得ている」と強調する。

 沖縄総合事務局陸上交通課は、ジャスタビ社から業務形態の在り方について相談を受けていると明かした上で、「道路運送法上、違法性があるのかどうかを含めて精査している」と述べるにとどめた。