「命と引き換えにしても…」 米統治下・沖縄取材 嬉野京子さん


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「写真を撮って県の様子を本土に伝えたい」と話す嬉野京子さん=29日、那覇市の不屈館

 那覇市の不屈館で29日、報道写真家の嬉野(うれしの)京子(75)さん=東京=が50年間の取材活動を振り返り講演した。嬉野さんは1965年に米軍車両が少女をひき殺した写真を撮影し県外で公開したところ、米統治下の沖縄の現状を示す写真として反響を呼んだ。講演会には約50人が集まり、嬉野さんが撮りためた写真を見ながら沖縄の苦難の歴史を振り返った。

 嬉野さんは講演の中で、沖縄を統治していた米国の軍人に見つからないよう、隠れながら写真を撮り続けたことを振り返った。「命と引き換えにしても撮らなきゃいけない。撮って本土に伝えなきゃと思った」と話した。会場に駆け付けた人の中には県外出身者も多く、嬉野さんが話す当時の沖縄の様子に驚いたり、大きくため息をついたりする人もいた。