FC琉球 分ける サッカーJ3第11節


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後半アディショナルタイムのPKをキーパーに阻まれ、ボールに向かう田中恵太(右)=29日、県総合運動公園陸上競技場

 サッカーJ3のFC琉球は29日、県総合運動公園陸上競技場で首位のブラウブリッツ秋田と第11節を戦い、1―1で引き分けた。琉球は5勝4分け2敗、勝ち点19で4位。前半、秋田のFW田中智大に先制を奪われるが直後に琉球のMF田中恵太が同点ゴールを決めた。試合終了間際、PKの好機を相手キーパーに阻まれ勝利を逃した。次節は6月12日午後1時から、AC長野パルセイロと長野県の南長野運動公園総合競技場で対戦する。

(1)沖縄県
琉球 5勝4分け2敗(19)
1―1(1―1,0―0)
秋田 5勝6分け(21)
▽得点者【琉】田中(6)【秋】田中(1)
▽観衆 1347人

 【評】琉球は最後の最後で勝利を逃した。前半27分、秋田のFW田中智大がヘディングで先制。直後の同28分、琉球のMF田中恵太が右足で同点弾を放った。琉球は試合終了直前、PKで絶好の好機を得たが、秋田のGK松本拓也に完全にコースを読まれ、阻まれた。(崎原有希)

◆一番タフな試合
 金鍾成監督の話 今までで一番タフな試合だ。前半、守備に負担がいき、ペースがつかめなかった。失点から(田中)恵太が取り返し、後半からペースを取り戻したが、いつやられてもおかしくない一進一退の試合だった。シュートの形や精度が落ち着けていないことが課題でテーマだ。

◆等身大の姿出た
 間瀬秀一監督(秋田)の話 出た結果が等身大の姿だと思う。けがで3人代わったが、それぞれの特徴を生かしてやった。
 誤審でハンドのPKを生んだ。決められたら、いつ以来負けるかと一瞬よぎったが、キーパーがはじいてくれると思った。

◆田中、PK好機生かせず
 無情にも試合終了の笛が鳴り響いた。FC琉球の主将のMF田中恵太はピッチに拳をたたき付け、悔しさをぶつけた。試合終了間際、PKで勝利の絶好の好機が生まれた。試合を決めようと「僕が蹴る」と名乗りを上げた田中。コースは完全に読まれ、ゴールと共に首位浮上も阻まれた。
 シーズンの3分の1の試合を終え、首位のブラウブリッツ秋田との首位攻防戦という大事な一戦だった。秋田に先制を許すが、直後に琉球も動いた。
 中央からMFフアンの浮き球パスを左のDF平田拳一朗がつなぎ、田中が右足を振り抜き同点弾を放った。直前にやっていたクロスの練習が生きた。
 リーグ最多の6点目を決めた田中だが、PKの好機で相手キーパーにシュートをはじかれ「首位相手に最大のチャンスで決めきれず申し訳ない。プレッシャーの中で決めるのが仕事。能力不足だ」と猛省する。
 金鍾成監督は課題のシュートの形や精度を高めることをテーマに掲げる。
 4位に後退したものの、首位争いを繰り広げ、琉球はJ2昇格の可能性も現実味を帯びている。一方で8位までの勝ち点差は5。課題を克服できるか。琉球の負けられない戦いが続く。(崎原有希)