健常者と障がい者が平等に暮らせる社会の実現を目指そうと、琉球銀行(金城棟啓頭取)は2日、那覇市のりゅうぎん健保会館で「障害平等研修」を開いた。同研修の実施は全国の金融機関のほか、県内の企業でも琉銀が初めて。参加した同行の行員らは「障害って何?」「何をしたら平等になる?」などと熱心に議論し、障がいへの理解を深めたようだった。
研修には各支店のフロアアシスタント計47人が参加。進行役(ファシリテーター)は、自身もひざの関節機能に障がいがあり、長距離の歩行はできないという精神保健福祉士の小林学美さんが務めた。
小林さんは「障害」の定義について「機能障がいのある人と彼らに対する態度と環境による障壁との間の相互作用で、健常者と平等に社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものだ」と説明。具体例として、点字ブロックをふさぐ迷惑車両やスロープのない階段、障がい者の乗車を拒否するタクシー、障がい者の声に耳を傾けない店員などを挙げた。
研修では、障がい者と健常者の立場が逆転した映像を放映。健常者の主人公がバスの乗車を拒否されたり、クラブで障がい者から陰口をたたかれたりする少数派への冷たさや無関心という「差別」に参加者は見入っていた。
小林さんは「障がいの本質を分析する力を付けてほしい。本質が分からなければ解決策は分からない。まずは障がい者の声に耳を傾け、彼らが何を求めているかを知る必要がある」と呼び掛けた。
障害平等研修は、1990年代以降に英国で制定された障害者差別禁止法の推進に合わせて生まれた教育研修。障がい者の社会参加や多様性のある社会を創ることを目的としている。国内では、東京のNPO法人障害平等研修フォーラムが実施している。
沖縄では2015年度から行政機関や福祉団体を中心に同研修を導入している。