「子が安心できる場を」 貧困支援の在り方議論


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子どもの居場所づくりなどについて意見を交わす登壇者ら=4日、沖縄市産業交流センター

 【沖縄】シンポジウム「子どもの居場所と地域づくりを考える~こども居場所ミーティング~」(沖縄市子ども施策研究会主催)が4日、市産業交流センターであった。京都市で子どもの学習や生活支援に取り組むNPO法人「山科醍醐こどものひろば」の村井琢哉理事長が基調講演で「子どもが安心して過ごせる場をつくることだ重要だ」と訴えた。県内で支援に取り組む団体や自治体の関係者ら約70人が参加し、メモを取るなどして耳を傾けていた。

 村井理事長は子どもと一緒に食事を作って食べたり、高齢者と交流したりする「こどものひろば」の活動を紹介。「食事の提供や居場所づくり、教育支援などの手法で、子どもが安心して過ごせる場をつくることだ重要だ」と述べ、子どもの孤立感を和らげることが相談しやすい環境づくりにつながると説明した。

 地域が取り組む現状の支援については「傷(子どもの貧困)にばんそうこうを貼っている状況だ」と指摘。「傷のない社会づくりが必要だ。子どもの『困った』の解決にこだわろう」と呼び掛けた。

 県内団体の代表者らによるパネル討議もあり、村井理事長のほか、NPO法人沖縄青少年自立支援センターちゅらゆいの金城隆一代表理事、子ども食堂「ほのぼのヒロバ」の糸数未希さんと東江沙亜理さん、沖縄市園田自治会の嵩元盛侍会長、市社会福祉協議会の上原健次さんが登壇。人件費や拠点の家賃などを賄う資金の確保が課題などについて討議した。

 助成金の申請ノウハウを持った人材を増やしたり、募金箱を常に持ち歩くなどの実践法が紹介された。