「ジーマーミ豆腐」で急性アレルギーの搬送増 観光客、病院「販売時に声掛けを」


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 沖縄観光中に「ジーマーミ豆腐」を食べた食物アレルギーの子どもが、呼吸困難などを伴う急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」を起こして県立北部病院に救急搬送される事例が増えている。「ジーマーミー」をピーナツと知らずに食べる例がほとんどで、中には意識のない状態で搬送される事例もあった。医師は県内の飲食業者らに対して、観光客に情報提供するよう訴えている。

 アナフィラキシーショックは、じんましんや呼吸困難、嘔吐(おうと)、意識障害、血圧低下などを来す急性のアレルギー反応で、最悪の場合は死に至ることもある。

 ジーマーミ豆腐

 同病院小児科の佐々木尚美医師によると、「ジーマーミ豆腐」を食べたことによる救急搬送件数は現在集計中だが、2年ほど前から増えており、患者は食物アレルギーを持つ低年齢の子どもが多い。「幸い死に至る事例はないが、あと5分遅ければどうなっていたか、という事例もある。治療で状態が安定しても、4~5時間後に再び症状が出る場合もある」と危機感を募らせる。ピーナツは重篤なアレルギーを引き起こしやすいと言い、メニューに「ピーナツ」と記したり、販売する際に一声掛けたりするなど飲食店で対策を取るよう訴える。

 一般社団法人アレルギー対応沖縄サポートデスクの田村磨理事務局長は「飲食店による情報提供だけでなく、口にする子どもの親も確認作業をして、双方で安全性を確立してほしい」と呼び掛けた。(新垣梨沙)