「当選と言ってない」 選管委員長、開き直る 沖縄県議選、集計ミスで大混乱 


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
県議選の集計ミスを発表する沖縄県選挙管理委員会の当山尚幸委員長(前列中央)=6日午前3時5分ごろ、那覇市

 「われわれから当選だと言ったわけではない」。5日に投開票された沖縄県議選で県選挙管理委員会による開票速報の集計ミスは、当落が逆転するという前代未聞の事態を引き起こし、候補者の事務所やマスコミは大きな混乱に陥った。未明に会見して経緯を説明した当山尚幸委員長はおわびの言葉を重ねながらも「発表した数字は最終確定ではない」との見解も繰り返し、関係者への自発的な謝罪の姿勢は最後まで見られなかった。

 報道各社がほとんどの選挙区で当選を報じたころの6日午前0時16分、県選管から報道各社へ、国頭郡区の開票速報で「変更となる見込み」が通知された。報道各社の問い合わせに「精査中」と繰り返してきたが、通知から約2時間後に会見が開かれた。

 空調が切れた県選管の事務室には、当山委員長を中心に選管の事務方が左右を固め、しばしば事務的な説明を補助した。記者やカメラ記者など20人近くが詰め掛け、汗を流しながら質問を継いだ。

 この日の混乱に「申し訳ない」との言葉を繰り返した当山委員長。一方で、票数が誤って公表された候補者や関係者に直接、説明や謝罪を行う考えはないのかとの記者の質問に「最終的な確定をしないうちは当選はこの人だという言い方はできないので、各自に今言うことはできない」と強調した。

 報道の当確について当山委員長は「当選確実はマスコミによって違う報道がされている。必ずしも全部同じ報道をしていない」と言及。「選管が確定的な発表をした後のミスなら大変なことだが、そうじゃない。選管ではいまだに確定していない。まだ何か問題があれば、いまマスコミが発表しているのも違う結果になりうる」と開き直りとも取れる発言まで展開した。