地震契機に、熊本・沖縄「西原」同士、交流再び


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熊本地震の義援金を熊本県西原村の日置和彦村長(中央)に手渡す新川喜男西原町議会議長(左)と義援金募集実行委の親泊輝延代表=3日、同村役場

 【西原】熊本地震で大きな被害を受けた熊本県西原村へ3日、沖縄の西原町の有志が中心となって集めた義援金105万6千円余りを届けた。両町村は名前が同じということから交流がある。熊本側の児童15人ほどを夏休みに沖縄に招待することも決まった。最近は交流が途絶えていたが、地震をきっかけに、再び関係を深めていこうという機運が盛り上がりつつある。

 義援金は以前に交流に参加したことのある商工会関係者や役場職員らが中心となって募集実行委員会(親泊輝延代表)をつくり集めた。親泊代表と、同会メンバーの新川喜男西原町議会議長らが届けた。

 支援の動きを知った西原小学校の児童らが集めた6万5千円余りも「子どもたちのために役立ててほしい」と西原村教育委員会に手渡した。

 両町村は、親泊代表が町商工会の事務局長をしていた15年ほど前、互いに訪れ合っていた。地震被害の報道に触れた新川議長から「人ごとではない」と相談を受け、親泊代表ら約15人が世話人となって義援金の協力を呼び掛けた。町内の幅広い人たちから寄付があった。

 義援金を受け取った西原村の日置和彦村長と曽我敏秀教育長からは、感謝の言葉とともに「今後も交流を続けたい」との話があったという。

 今回、児童が募金集めに取り組んだことをきっかけに、熊本の子どもたちを沖縄に招待する話が進んだ。西原町の児童らとの交流を予定、民泊なども検討するという。

 親泊代表は「熊本の子たちにぜひ沖縄の海を見せたい。交流を新しい世代につないでいきたい」と語り、今後の展開に期待した。現地を視察し、家屋が崩れるなど被害の大きさを間近に見た新川議長は「名前が同じという縁もあり、どうにか志を届けたいという思いがあった。一日も早い復興を願っている」と話した。