米兵から乱暴「殺される寸前」 「本土は基地引き取って」 沖縄の抗議集会、告白者の訴えに涙


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
リレートークでそれぞれの思いを述べる参加団体の代表者ら=8日午後、那覇市

 「もう涙は見たくない」「被害をなくすためには軍隊の撤去しかない」。那覇市で開かれた米軍属女性遺棄事件に関する「これ以上の基地・軍隊の駐留を認めない!追悼・抗議集会」では、集会賛同団体の代表10人がリレートークで切実な思いを語った。米兵からの性被害を告白する人の話に涙を流す人も。参加者は静かに耳を傾け、共感の拍手で応えた。

 「首を絞められ、殺される寸前だった」。ワンストップ支援センターの設立を強く望む会(ソーハート)の金城葉子共同代表は、17歳の時に米兵から受けた性暴力の被害を語った。友人宅で開かれた夕食会後、「家まで送る」と言われ、車内で襲われた。

 3年前に被害を公にし、性被害のワンストップセンター設立に尽力した。「当時は単に私と米兵だけの問題だと思っていた。でも、今は米軍基地があるが故の被害だったと思っている。被害を黙っている人はたくさんいる。米軍基地をなくすまで、一緒に頑張っていく」と力を込めた。

 「日本人の大半が米軍基地が必要だと考えるならば、(本土で)基地を引き取ってほしい」。オキナワンスタディーズ107の親川志奈子共同代表は語気を強めた。「自分の所に基地が来るかもしれないと考えて初めて、日本の人々はウチナーンチュの訴えの意味が分かるのではないか」と指摘。「これ以上、沖縄人が強姦(ごうかん)され、殺されることは容認できない」と訴えた。

 集会に参加した安慶名つる子さん(69)=沖縄市=は「『米兵はいい人』と言う若い人は多い。しかし、今回の事件を見て分かるように、そのいい人が豹変(ひょうへん)して事件を起こす。危険をなくすためには軍隊の撤去しかない」と話した。