県内2者、チェコ企業提携 ガラス、IT アジア展開狙う


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在日チェコ商工会議所会頭でゾナー社日本法人代表の渡邊ロマン氏(右から2人目)と提携書を交わした琉球ネットワークサービス会長の上原啓司氏(同5人目)=10日、那覇市のザ・ナハテラス

 「琉球ガラス村」を運営する琉球ガラス工芸協業組合(糸満市、大江聖彌代表理事)、システム開発の琉球ネットワークサービス(那覇市、渡慶次賀雄社長)がそれぞれチェコ企業との業務提携で合意し、10日に那覇市のザ・ナハテラスで調印式が行われた。ボヘミアガラスなど世界的なガラス製品産地であるチェコと琉球ガラスの技術交流を深め、情報技術(IT)分野ではアジアへの窓口となる沖縄の位置を足掛かりに共同でアジア市場への展開を図る。

 調印式は県経済団体会議と在日チェコ商工会議所が主催した。チェコ側からトーマス・デュプ駐日大使、同会議所の渡邊ロマン会頭らが出席し、島尻安伊子沖縄担当相も立ち会った。デュプ大使は「沖縄はITも強いと聞いている。沖縄とチェコとの新しく生まれたつながりは、力を合わせることでウィンウィンの成果になっていく」と期待した。
 琉球ガラス工芸協業組合は、チェコのガラス企業や関係製品企業と友好関係を深め、琉球ガラスの職人を派遣した技術交流も進めていく。
 琉球ガラス村グループの稲嶺盛福代表は「世界には紀元前からガラスの歴史があり、琉球ガラスは生まれたばかりだ。チェコから技術を学びながら、アジアを代表するガラス産業として世界の中で確立していきたい」と語った。
 琉球ネットワークサービスは、画像処理ソフト「ゾナー・フォト・スタジオ」を開発するゾナー社と業務提携した。ゾナー社の画像処理ソフトはチェコ国内で7割のシェアを持ち、世界展開を手掛けている。業務提携は情報通信技術の交流や製品販売支援のほか、互いの強みを生かしてアジアへのビジネス展開を図る。
 琉球ネットワークサービスの上原啓司会長は「チェコは欧州向け工業製品の製造拠点として日本メーカーも多く進出している。高品質のものづくりによって世界市場で重要な役割を果たす姿を、沖縄も目指したい。沖縄は日本の南端だが、アジアに向けた最先端だ。ゾナー社のサービスを広げる手伝いができる」と語った。