【北谷】第3次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団(新川秀清団長)は12日、北谷町桑江のちゃたんニライセンターで2016年度定期総会を開き、米軍属女性暴行殺人事件に抗議し、全基地撤去を要求する決議を採択した。同原告団が全基地撤去を抗議決議に盛り込んだのは初めて。毎月第3金曜日午後0時15分に嘉手納基地第1ゲート前で抗議集会を開くことも決めた。
新川団長は「せめて静かな夜を取り戻したいと訴訟を進めてきた。今回の極悪非道な事件で、爆音のみならず基地の存在自体まで踏み込まなければならない段階になった」と説明した。
決議文は1955年の「由美子ちゃん事件」や宮森小のジェット機墜落事故などを列挙し、「県民にとって戦争は終わっていない」と指摘。その上で「沖縄に悲劇はもうたくさんだ。もう二度と犠牲者を出さないために直ちに沖縄から全基地撤去するしかない」と訴えている。
米軍普天間飛行場の即時閉鎖と名護市辺野古での基地建設断念も求めた。宛先は米大統領や首相らで、近く郵送予定。
総会スローガンにも「事件断固糾弾、全基地撤去を進めよう」と盛り込まれた。昨年度相次いで飛来した外来機や県内での訓練が予定される空軍仕様の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイについても抗議の声が上がった。
今月の抗議集会は17日午後0時15分から第1ゲート前で開かれる。