30年に「貧困率10%」目標 105団体で子ども未来会議発足


この記事を書いた人 志良堂 仁

 子どもの貧困対策を県民運動として展開するため、県内の105団体が参加する「沖縄子どもの未来県民会議」が17日発足した。現在29・9%の沖縄の子どもの貧困率について、2030年までに「10%を目指す」とする目標を打ち出した。貧困率に関する沖縄の数値目標が示されるのは初めて。全国の都道府県でも例がない。目標は他にも「30年までに、全ての子どもが安心して過ごせる居場所をつくる」などとしている。

 県庁で開かれた設立総会で、翁長雄志知事が会長に就任した。翁長会長は数値目標について「県民所得が低く、非正規労働が多いなど、さまざまな問題が関わる。経済、労働、福祉、教育が連携していく必要がある」と話し、各界が参加する県民会議ならではの目標との認識を示した。

 目標の貧困率10%は、14年の経済協力開発機構(OECD)平均の13・3%を参考に設定。「子どもの貧困撲滅」を掲げた英国が解消を示す数値として10%と定めたことにも倣った。沖縄21世紀ビジョンの想定年となる30年までの達成を目指す。全国の子どもの貧困率は16・3%で、それを下回る数値を設定した。

 貧困解消に向けたロードマップが示された。県は本年度から始まった「県子どもの貧困対策計画」を22年に評価・見直しし、第2次計画を策定する。当面の目標として、22年までに1人当たりの県民所得(14年度210万2千円)を271万円程度にまで上げる。