「全基地撤去を」 被害者の父親が沖縄県民大会にメッセージ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
「怒りは限界を超えた」と書かれたプラカードを掲げる沖縄県民大会の参加者ら=19日午後3時18分、那覇市の奥武山陸上競技場(金城実倫撮影)

 米軍属による女性暴行殺人事件に抗議する沖縄県民大会の開催に際し、被害者の父親が「次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』―」などと訴えるメッセージを大会主催者に寄せた。

 19日は被害女性が亡くなってから四十九日を迎える日。多くの県民が追悼のために集まることから父親から弁護士を通してメッセージが寄せられたという。父親の意向で式次第には明記されなかったが、1分間の黙とうを終えたあと、高里代表が読み上げた。

 「なぜ娘なのか。なぜ殺されなければならなかったのか―」。
 不条理な事件に巻き込まれ、娘を失ったやり場のない怒りや悲しみが会場全体に静かに染み渡った。

 大会で読み上げた高里鈴代共同代表は閉会後、記者団に対し「県民として、名護市民としてしっかりと明記されていたことに感動した」と語った。

 高里代表は「お父さんの悲しみはうかがい知れないほどのものだ。悲惨な事件を二度と起こさせないためにもしっかりと胸に刻みたい」と述べた。

 ◇父親のメッセージは以下。

 ご来場の皆さまへ。
 米軍人・軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。
 なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。今まで被害に遭った遺族の思いも同じだと思います。
 被害者の無念は、計り知れない悲しみ、苦しみ、怒りとなっていくのです。
 それでも、遺族は、安らかに成仏してくれることだけを願っているのです。
 次の被害者を出さないためにも「全基地撤去」「辺野古新基地建設に反対」。県民が一つになれば、可能だと思っています。
 県民、名護市民として強く願っています。
 ご来場の皆さまには、心より感謝申し上げます。
平成28年6月19日
娘の父より