「被害者に申し訳ない」 被害女性の発見現場 訪れる人絶えず


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
沖縄県民大会の開催を前に、被害者の遺体が発見された現場で黙とうをささげる人たち=19日午後1時ごろ、沖縄県恩納村

 米軍属女性暴行殺人事件で被害者の女性の遺体が見つかった沖縄県恩納村安富祖の発見現場には、県民大会があった19日、早朝から多くの人が献花に訪れた。手を合わせた人々が「女性に申し訳ない」と米軍基地に起因する事件を防げなかったことに贖罪(しょくざい)の思いを語った。現場を通り過ぎたYナンバーの車両から米軍関係者とみられる若者らが「フォー」と歓声を上げ、被害者を侮蔑するとも受け止められるような場面もあった。

 午前9時ごろ、花束の前にそっと線香を供えた松元由記仁(ゆきひと)さん(46)=鳥取県、予備校講師=は県民大会参加と遺体遺棄現場に手を合わせるために沖縄を訪れた。「いろんな思いが混在しているが、一番は被害者女性に対する申し訳なさだ」と述べ、県民大会に向かった。

 大会が始まった午後2時ごろ、現場で黙とうをした沖縄県読谷村の男性(47)は「私にも同じ年の娘がいる。県民大会に参加する皆さんと気持ちは同じだが、私は静かに彼女に手を合わせたかった」と目を充血させながら声を振り絞った。

 一方、現場を沈痛な雰囲気が包む中、午前9時40分ごろ、米軍関係者とみられる5人が乗ったYナンバーの車が、窓を全開にしながら低速で現場前を通過。現場を10メートルほど過ぎた所で、車中から「フォー」と何かを楽しむような大声が響いた。
(友寄開)