嘉手納の離着陸増 15年度、基地負担軽減に逆行


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 【中部】沖縄防衛局は17日、2015年度の米軍嘉手納基地を離着陸した航空機の運用実態調査(目視調査)を発表した。午前6時~午後6時の離着陸などの回数は昨年より1021回増加した4万3467回だった。そのうち外来機は全体の30・3%を占める1万3170回で昨年より2543回増加し、住民が求める基地負担の軽減に逆行している状況があらためて裏付けられた。

 外来機が全体の30%以上を占めるのは防衛局が調査を始めた10年度以来。月別で見ると、F16戦闘機やF22戦闘機などが飛来した16年1月と15年10月は、離着陸などの総数がそれぞれ4565回、4450回と多かった。

 常駐機とみられる航空機の離着陸回数は3万297回。激しい騒音をもたらす戦闘機の回数は常駐機と外来機を合わせ1万9630回で、全体の45・1%を占めた。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会会長の野国昌春北谷町長は「負担が増えているという体感が調査でも示された」と話し、「われわれは常に負担軽減を求めている。騒音を軽減するという政府の主張と全く逆だ」と抗議した。

 調査は15年4月1日~16年3月30日の365日間実施し、毎日午前6時~午後6時、沖縄防衛局が嘉手納基地を離着陸する航空機を「タッチ・アンド・ゴー」、通過や旋回を含めて目視した。