県産マンゴー、出荷3割減 暖冬要因、中元に影響も


この記事を書いた人 志良堂 仁

 JAおきなわ(大城勉理事長)は20日、2016年の県産マンゴー(アーウィン)の、共同選果による出荷見通しを公表した。昨年11~12月の暖冬の影響で開花が大幅に遅れたことが響き、前年比31・2%減の452トンと大幅減になると見通した。出荷の最盛期が半月程度後ろ倒しになるなど全体的に遅れ気味で、マンゴー需要の多くを占める県外市場のお中元シーズンを逃す懸念も出ており、JAは対策を急いでいる。

 JAおきなわによると、昨年末の気温は全県的に例年より1・8度ほど高かった。開花には一定の寒さも必要だが、大雨の影響もあり、果樹が開花ではなく木の成長にエネルギーを使う傾向があった。例年3月上旬の開花時期は、3月下旬から4月上旬になり、着果率の低下に影響した。

 県内の拠点産地の一つである宮古地区では、生産量が例年の半分にとどまるとの見通しも出ている。

 JAでは20日から共同選果を始めた。1本の木になる実が少ないため、栄養分が集中することから出荷されたマンゴーは糖度が高いこともあって、取引価格は例年より60%高い1キロ当たり3500円の高値が付いている。

 一方、出荷のピークは例年より半月程度遅い7月下旬から8月上旬を見込む。7月中旬にピークを迎える県外のお中元シーズンを過ぎると、需要低下により単価が下がる可能性がある。

 8月に近づくほど台風の影響も懸念され、マンゴー生産は波乱含みだ。

 JAは「かなりの不作になると思われるが、収穫できたものは比較的糖度が高く品質はいい。ギフト需要を8月上旬までずらす取り組みを進め、単価を維持したい」との考えを示した。