軍転協、軍属事件で政府に抗議 知事は訪米訴えを強調


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米軍属女性暴行殺人事件を受け、中谷元・防衛相(左)に対し要請書を手渡す翁長雄志知事=21日午後1時半ごろ、防衛省

 【東京】米軍属女性暴行殺人事件を受け、県内基地所在市町村長で構成する県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の翁長雄志会長(知事)ら7人は21日上京し、外務省や防衛省、在日米大使館、首相官邸に対して事件に抗議した上で、日米地位協定の抜本的改定などを求めた。翁長知事は要請後、記者団に対して「予算も獲得しているので、タイミングや要請する趣旨について、今だといういい形があれば、ワシントンDCに行って改めて経過報告と理解を求めていきたい」と述べ、訪米して直接訴える考えを示した。

 要請書は「日米地位協定を見直すとともに、海兵隊の削減を含む基地の整理縮小など、過重な基地負担の軽減に真摯(しんし)に取り組んでいただくことが抜本的な解決につながる」として地位協定改定と基地の整理縮小を求めている。

 要請で翁長知事は「日米安保体制は重要だと思っているが、今のような状況で運営すると明日また事件が起こるかもしれない。起こる体質が何も変わらない」と指摘し「日米安保は砂上の楼閣に乗っており、根本的な原因をどかすことに取り組んでほしい」などと述べ、地位協定改定の必要性を訴えた。

 首相官邸で対応した杉田和博官房副長官は安倍晋三首相がオバマ大統領に抗議したことなどを強調し、地位協定に関し「軍属の範囲について議論をしている」などと説明した。

 中谷元・防衛相は「実効的な再発防止策を早急に取りまとめるべく日米間の協議を加速して、二度と起こらない体制を構築すべく全力を挙げている」などと述べた。

 要請には那覇市、浦添市、嘉手納町、久米島町、北中城村、恩納村の首長や代理が参加した。