きょう慰霊の日 恒久平和の誓い新た


この記事を書いた人 新里 哲
沖縄戦戦没者の名前が刻まれた「平和の礎」の前で手を合わせて祈る遺族ら =22日午後、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 沖縄は23日、「慰霊の日」を迎えた。住民を巻き込んだ地上戦が行われ、20万人を超える尊い命を奪った沖縄戦から71年がたつ。激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、午前11時50分から、県と県議会主催の「沖縄全戦没者追悼式」が行われる。戦没者のみ霊を慰め、世界の恒久平和への誓いを新たにする。

 追悼式には、安倍晋三首相、関係閣僚、衆参両院議長が参加する。

 元米海兵隊員の軍属による女性暴行殺人事件が県民に与えた衝撃は収まらない。19日には、事件に抗議する県民大会が開かれ、6万5千人(主催者発表)が集結した。翁長雄志知事は追悼式で読み上げる「平和宣言」で事件に言及し、戦後71年を経ても米軍関係者による事件事故が後を絶たない沖縄の現状を訴える。

 追悼式では、金武小6年の仲間里咲さんが「平和の詩」に選ばれた「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」を朗読する。

 3月には、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法も施行されるなど憲法改正もいっそう現実味を帯びてきている。日本の将来を占う参院選のまっただ中で、沖縄は鎮魂と祈りに包まれる。