不戦の思い歌で学ぶ 琉大付属中、「島唄」題材に平和授業


社会
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「島唄」の歌詞の意味を班で考える生徒ら=24日、西原町の琉大付属中

 生徒自身で沖縄戦について考えてもらおうと、西原町の琉球大学教育学部付属中学校(道田泰司校長)で24日、THE BOOMのヒット曲「島唄」を題材にした平和授業があった。同中1年4組では「島唄」の歌詞が沖縄戦で死に別れた人々の悲劇を表現していると教員が説明。39人の生徒らは歌詞に込められた作詞者の思いを考え、「戦争を繰り返さないという思いを込めたのでは」などと発表した。

 授業では同中の仲松研教諭は「島唄」の歌詞の一節にある「届けておくれ私の涙」と、「届けておくれ私の愛を」で「作詞者が届けたい思いは何だと思うか」と生徒らに問い掛けた。沖縄戦の中、集団自決で83人が亡くなったチビチリガマと、隠れていた千人以上が米軍に投降して助かったシムクガマの事例も紹介した。

 生徒らは複数の班に分かれて歌詞について話し合い、発表。「戦争を繰り返さないという思いを込めたのでは」「『涙』は亡くなった人を悼む悲しみ、『愛』は亡くなった人への思いをそれぞれ表していると感じた」などの意見が出た。

 授業後、島袋弥月(みつき)さん(13)は「短い歌詞の中にもさまざまな思いが詰まっていると実感した。沖縄戦についてもっと知りたいと思う」と感想を述べた。