那覇市で参院選入場券送付に遅れ 一部で期日前開始に間に合わず


この記事を書いた人 新里 哲

 7月10日投開票の参院選で、6月23日から期日前投票が始まっているにもかかわらず、沖縄県那覇市で投票所入場券の送付に遅れが出ている。26日現在、まだ届いていない人もおり、市選挙管理委員会には市民からの問い合わせが相次いでいる。市選管は「入場券がなくても身分証明書があれば投票できる」としているが、識者は「(入場券が)なくても投票できるなら、入場券の意味は何か問われてくる」と対応の遅れを批判している。

 市選管によると、選挙権年齢を18歳に引き下げる公職選挙法改正に伴う名簿作成などで、入場券の発送が通常の選挙よりも遅くなっているという。

 市選管は20日に入場券を全世帯に発送したが、転居先への転送などを想定し、全対象者への到着は期日前投票が始まった後の29日までかかると見込んでいる。

 市選管は「今回は県議選直後の選挙であることと、公選法の改正に伴う名簿処理が重なったことで遅れが生じた」と説明している。

 投票所入場券が期日前投票の開始日までに届かなかったことについて、沖縄大学の仲地博学長(行政法)は「県議選後に参院選があり、公選法が改正されることは既に分かっていた。なぜ対応できなかったのか」とした上で「(身分証明書の提示で)投票できる状況にあることはいいが、入場券がなくても投票できるなら、入場券の意味は何かも問われてくる」と指摘した。

 那覇市での期日前投票は、7月9日まで那覇市役所で実施しているほか、4日から9日まで首里支所、真和志庁舎、イオン那覇店、サンエー那覇メインプレイス、30日に沖縄大学で実施する予定。問い合わせは市選管(電話)098(951)3215。