参院選比例代表 県出身候補遊説


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 参院選の比例代表に出馬した県出身の4候補は26日、断続的に降る雨にも負けず、県内各地で遊説し熱く支持を訴えた。立候補者は自民新人の今井絵理子氏(32)、共産新人の真栄里保氏(59)、おおさか維新新人の儀武剛氏(54)、日本のこころを大切にする党新人のボギーてどこん氏(52)。障がい者福祉の向上や辺野古移設問題、県民所得の引き上げ、防災救難の充実など、それぞれが重点を置く公約を中心に演説した。(’16参院選取材班)

今井絵理子氏(自民新人) 障がい認める社会に

支持を求める今井絵理子氏=26日午後、那覇市泉崎

 今井絵理子氏は、ダンスボーカルグループSPEEDメンバーの知名度を生かしながら、聴覚障がいのある息子の母親の立場で選挙運動を展開する。26日には那覇市の県庁前で、沖縄で初めての遊説に立ち、「障がいを個性として認めあえる社会を実現したい」と手話を交えて訴えた。

 全国各地を回りながら26日午後に沖縄入りし、保育推進連盟県支部の総決起大会に出席。遊説では、障がい者福祉向上を前面に出し「どんな環境に生まれても力強い一歩で前に進める環境を整えたい」と話す。遊説後は福岡に向かった。

 演台から下りて支持者と交流する場面も。基地問題についても「向き合っていきたい」と述べた。

真栄里保氏(共産新人) 辺野古への移設阻止

支持を呼び掛ける真栄里保氏=26日午後、那覇市曙

 共産党県委員会常任委員の真栄里保氏は、米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止や経済政策の転換など安倍政権との対立姿勢を前面に押し出し、集票を図る。選挙区の新人伊波洋一氏とのセット戦術で知名度向上を狙う。

 26日は大票田の那覇市で遊説を展開した。「子や孫に苦しみを押し付ける政権は代えないといけない」と強調。公示後は名護市辺野古なども訪れたが、今後は中南部の他市町村にも選挙運動を広げる。

 話す言葉は穏やかだが、基地問題では力が入る。「沖縄は基地あるが故の事件・事故に苦しめられてきた。新基地建設を撤回させ、安心して暮らせる沖縄を実現する」と訴えた。

儀武剛氏(おおさか維新新人) 所得向上へ振興注力

支持を求める儀武剛氏=26日午前、金武町屋嘉

 前金武町長の儀武剛氏は、町長3期と北部市町村会長を務めた豊富な行政経験などを武器に選挙戦を展開している。26日午前は、公示後初めて金武町で遊説し「町から戦後初の国会議員を生みだそう」と迫力ある演説で訴えた。午後も県内各地を巡り、支持を訴えた。

 「県民所得の向上」を重点公約に位置付け「地元優先発注など沖縄振興予算が地元にしっかり分配される仕組みが必要だ」と強調する。今後は宮古や八重山など離島も巡り、無党派層を掘り起こす狙いだ。

 豪快な印象だが、話すと笑顔が絶えない人柄。「批判だけでなく、課題を前に進められる提案型の政治をする」と決意を述べた。

ボギーてどこん氏(日本のこころ新人)
救難防災体制を強化

支持を呼び掛けるボギーてどこん氏=26日午後、那覇市牧志

 ラジオパーソナリティーのボギーてどこん氏は、米軍普天間飛行場跡地に国際救難センターを整備することや、県内に国立防災大学を創設することを政策の柱に掲げる。

 党から声を掛けられ、今回、初めて国政に挑戦することを決意。愛犬「バーディー」を引き連れ街頭宣伝などに取り組んでいるほか、フェイスブックを中心にインターネットを使った発信にも力を入れる。

 26日は宜野湾市から那覇市まで街宣し、国際通りでマイクを握った。途中からの大雨にもめげず、「軍事的なプレゼンスだけでなく、平和的に命を救う力を沖縄に生じさせ、人の命を救う島として役割を果たす」などと訴えた。