高江着陸帯 抗議市民の仮設テント、県が撤去求め看板設置


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抗議市民立ち会いの下、仮設テントなどの撤去を求める立て看板を設置する県の職員=29日午後、東村高江区

 【東・国頭】県は29日午後、東村高江区周辺の米軍北部訓練場ゲート前に、同訓練場へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設阻止のためゲート前県道に設置された仮設テントなどの撤去を求める立て看板を設置した。担当者は「道路管理者としての指導を行った」としている。ヘリパッド新設に反対する市民らとの間にトラブルはなかった。

 立て看板は、仮設テントのほか、道封じのための車両や単管パイプ、抗議の意思を示す横断幕などの撤去を求めている。県北部土木事務所の職員らは事前に市民に電話で訪問を通告した上で現場を訪れ、「N1ゲート」付近に3基、「N4ゲート」付近に2基を設置した。

 28日には同事務所職員が市民らに対し、同様の内容で「文書指導」として注意書を読み上げていた。

 看板設置後、座り込みをしている宮城勝己さん(63)は「県と問題を起こすつもりはない。本当は看板を認めたくはないが(道路は)県の管理下である以上『立てるな』とは言わない」と話した。市民側は生活環境や自然環境を守る観点からヘリパッド建設に反対していることを強調し「(日よけの)テントもいつでも撤去できるものを使っている」と、配慮していることに理解を求めた。

 県道路管理課は「28日に引き続き文書指導の一環として看板を設置した」と取材に対して回答した。車両などへの文書貼り付けは行わない方針で、車の所有者に注意書を送付した。強制撤去などの措置は検討していないとしている。