がん負けず 指導に熱 三線教室・譜久村さん「成長見守りたい」


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譜久村悦子さん(後列右端)と新人賞を受賞した比嘉珠莉奈ちゃん(前列左)、小俣澪里ちゃん(同中央)、最高賞を受賞した小俣優里さん(前列右)、杉本悠真君(後列左端)、大城彩花さん(同左から2人目)、平良祭夏さん=6月23日、北谷町の譜久村悦子琉舞・三線教室

 【北谷】北谷町の琉球民謡伝統協会(新崎流、新崎松秀会長)譜久村悦子三線教室の小俣澪里(おまたみおり)ちゃん(5)と比嘉珠莉奈ちゃん(5)がこのほど、同協会のコンクールで新人賞を受賞した。同教室の小学生5人は最高賞を受賞した。昨年、大腸がんが見つかった譜久村さん(73)はコンクールの約1週間後に手術を控え、「どうしても合格させたい」と熱心に指導した。子どもたちもそれに応え、快挙を果たした。

 最高賞を受賞したのは小俣優里さん(7)、平良祭夏(まつり)さん(8)、饒平名心結(みゆう)さん(9)、杉本悠真君(9)、大城彩花さん(9)。新崎会長門下の長嶺美海(みみ)ちゃん(5)も新人賞に輝いた。

 これまでぼうこうがんと腎臓がんを乗り越えながら芸能活動を続けてきた譜久村さん。昨年、肺がんと大腸がんが見つかり、肺がんは昨年手術を受けた。今年5月末にあったコンクールに向けて毎日個人指導をして弟子たちを合格させた。6月6日に大腸がんを手術。同13日に退院し、その夜から稽古を再開した。

 「子どもたちが一生懸命にやっている姿を見ていたら元気をもらえる。芸能がなかったら落ち込んでいたかもしれない」

 子どもたちは厳しい指導に泣くこともあったが、食らい付いてきた。平良さんは「将来は教師免許を目指して頑張りたい」と意気込む。譜久村さんは「うんと長生きして子どもたちの成長を見守りたい。5歳の子たちがグランプリを取るまで頑張りたい」と話した。

 同協会のコンクール受賞者らが出演する第22回民謡芸能祭は10日午後2時半、那覇市民会館で開かれる。問い合わせは新崎会長(電話)098(858)4553。